報告書
平成29年度 人材研究会 報告書
「経営革新と『稼ぐ力』の向上に向けた仕事とキャリアの管理に関する調査研究」
少子高齢化や労働力人口の減少に伴い、社員の働き方改革を推進する必要があるが、グローバル競争が激化し、不断の経営革新が求められる中で、これを円滑に進める「鍵」は、企業の収益性すなわち「稼ぐ力」の向上であると考えられる。
企業においては、「稼ぐ力」の向上を実現する基盤は人材であり、人材育成やその適正配置を通じて企業の収益性の向上に結び付けることが可能となるが、そのための従来型の仕事とキャリアの管理システム(新卒採用、長期継続雇用、職務の無限定性、転勤制度等)が、現在の社会経済環境の中で、果たして合理的か、弊害がないかについて改めて精査が行われる必要があると考えられる。
一方、労働者の側から見ても、「人生100年時代」にあって、人生の組み立て方の変化を迫られるなか、自らの仕事やキャリアについて、企業側の事情のみでなく、自ら主体的に管理し、能力発揮の機会を開拓して行くことが望まれているが、そのためには、例えば「雇用の流動化」や「学びの機会の提供」といった対応が、企業あるいは社会全体に求められると考えられる。
このような問題意識から、当研究所内に、企業、学識者、政策当局など関係者からなる研究会を設置し、先進企業での取り組み事例、ヒアリング調査や企業の部長職及び従業員へのアンケート調査や先進企業での取組み事例、ヒアリング調査等を通して、「稼ぐ力」の向上に向けた仕事とキャリアのあり方について分析・検討を行い、提言を取りまとめた。