報告書

平成28年度 人材研究会 報告書
「働き方改革に向けたミドルマネージャーの役割と将来像に関する調査研究」

少子高齢化による生産年齢人口の減少が進む我が国において、企業が拡大するグローバル市場での競争力を保持し、持続的発展を図る上で、多様な人材の確保とそのための働き方改革が重要となっている。
働き方改革においては、残業を前提とした働き方から脱し、労働者の会社へのエンゲージメントを高め、労働生産性の向上を高めることが重要である。また、労働者が仕事以外に大事なことに時間を活用し、多様な経験を積むことは、企業にとっての新しい価値を生み出し、企業の「稼ぐ力」を向上させるものとなる。ただ、その実現に当たっては、現場を取りまとめるミドルマネージャー自身がこの点を理解し、部下に対する適切なマネジメントを実践していくことが何よりも重要である。
しかしながら、今のミドルマネージャーを取り巻く環境は厳しく、グローバル化による競争の激化、急速な技術革新への対応のみならず、多様な人材の管理、労働時間削減への対応など、ミドルマネージャーは現場の責任者として大きな負荷を背負っている。したがって、働き方改革を進めていくには、何よりもまずミドルマネージャーが置かれた実態を把握し、その果たすべき役割と将来像を検討することが重要と考えられる。
このような問題意識から、当研究所内に、企業、学識者、政策当局など関係者からなる研究会を設置し、先進企業での取り組み事例、ヒアリング調査やミドルマネージャーへのアンケート調査等を通して、働き方改革に向けたミドルマネージャーが果たすべき役割と将来像について分析・検討を行い、提言を取りまとめた。