報告書

平成27年度 人材研究会 報告書
「長時間労働体質からの脱却と新しい働き方に関する調査研究」

少子高齢化が進展し、グローバル競争が激化する中、わが国の企業が「稼ぐ力」を高めるためには、社員の労働生産性の向上や女性等の多様な人材の活用等が求められるが、そのためには、従来の働き方を変革し、「長時間労働体質からの脱却」が必要である。
もちろん、緊急な顧客対応、厳格な期限が課せられた重要業務の対応などのように、効率的な業務を行っても、なお「長時間労働」が余儀なくされる場合もあり、「長時間労働」自体から完全に脱却することは困難であり、適切でもない。しかし、実際には、計画的で効率的な業務遂行やそのためのマネジメントができていないことにより発生する超過的業務を、安易に長時間労働で「帳尻あわせ」をしようとする「体質」が、組織にも労働者個人にもまだまだ見受けられるのではないだろうか。
こうした問題意識から、当研究所内に研究会を設置し、「長時間労働体質」の下で、特に、労働者が暗黙裡に前提としている働き方(「残業を前提とした働き方」)に焦点を当て、そのことが企業の「稼ぐ力」との関係でどのような影響をもたらす可能性があるのか等について分析・検討を行い、提言を取りまとめた。